新設の「特色選抜」、上位校への影響はわずか。

「特色選抜」の導入の背景には、「大学推薦入試の多様化」の影響もあると考えられます。
「特色選抜」は中学校長の推薦が不要で、自らの得意分野をアピールする自己推薦型の選抜形式です。全ての高校で採用されるわけではなく、各高校の校長判断で決まります。
現段階では、学力上位校では、従来の「推薦選抜」と「一般選抜」を選択する高校が多いことが予想されます。というのも、「特色選抜」には「志願理由書」の提出が必要で、将来の明確な進路目標や特定の分野での顕著な実績が求められます。専門学科の高校を志願する生徒には多様な選択肢をもたらす大きな変革になると予想されますが、普通科の学力上位校を目指す生徒にとっては、「特別選抜」を導入する高校はあまり多くないと考えられ、影響は軽微でしょう。

「試験日程の前倒し」早めの内申対策・受験勉強を。

ここからは、特に中堅校・上位校を目指す受験生とその保護者の皆様にお伝えしたい内容です。
愛知県では例年、3月の初旬から中旬にかけて推薦・一般選抜が行われ、20日前後に合格発表が行われてきました。令和5(2023)年度以降は、従来の入試より【試験日程が約一か月前倒しになる】ため、中3の3学期(後期)の進路指導に大きな影響が出ると考えられます。中学校の「学年末テスト」の日程にも、恐らく影響が出るでしょう。
「一般選抜」で使用される中3の3学期(後期)の「評定得点(内申点)」は、本来中3の学年全体の成績を反映するものであり、内申の扱いそのものに大きな変化はないという見方もあります。しかし、受験勉強のスケジュールが入試日程に合わせて前倒しになると考えれば、内申に関わる各種テストへの取り組みも変わってきます。準備期間が短くなる分、ますます“戦略的な受験対策”が必要になってきます。
一方で、合格発表も10日ほど早まるため、高校生活への準備も10日ほど早く始められます。
次のステージへの助走期間が長くなると捉えて、この時期を有効活用したいものです。

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