【愛知県】公立高校入試制度改革/上位校ほど“戦略的な受験対策”が必要に!

教育

令和5(2023)年4月入学予定の受験生から、愛知県の「公立高校入試」が大きく変わります。
適用となるのは、2021年4月現在、中学2年生以下の生徒です。
愛知県立旭丘高等学校 前校長の杉山賢純先生に、詳しいお話を伺いました。

変わる愛知県の受験地図。背景に一部公立高校の定員割れと私立無償化。

愛知県公立高校入試がこのタイミングで変わるのは、「公立高校の定員割れ(過去最大)」と「倍率低下」が原因と言われていますが、「少子化」と「私立高校の実質無償化」(※年収制限あり)も影響していると思われます。今まで公立高校入試制度はおよそ20年から30年で根本的に改定されてきました。
愛知県独自の「複合選抜制度」(公立高校を最大2校、受験することができる制度)もいずれ大きく改定されるものと考えられます。現行の入試制度は開始から30余年経っていますが、「複合選抜制度」を残しつつ、受験生・高校双方により良い制度を作るため、毎年関係者が協議を重ねています。
今回導入される制度について、まずは総論的に見ていきましょう。
変更点の中の【学力検査1回・2校出願】に関しては、入試採点業務の簡素化、高校3学期(後期)日程の過密状態の解決策として実施されるものと考えられます。また、【特色選抜】や【推薦入試日程の前倒し】は、「少子化」「私立高校の実質無償化による、私立人気の高まり」への対応策と言えるでしょう。
中学校長の推薦が不要で、受験生が自らの得意分野をアピールする「特色選抜」は、専門学科の高校を中心に実施されると予想されます。興味のある分野を学びたい、という意欲の高い生徒が集まることが期待されます。合否が早期に決定することもあり、実施する高校の人気が高まるものと予想します。

ここ数年は、人気校“クラス数増”の恩恵も。

また、一部高校ではここ数年に限り受験者増に伴う【定員増】も発表されています。
(例:尾張地区の旭丘高・松蔭高・昭和高・名東高・桜台高・名古屋西高など)
これは、元々令和3(2021)年度の入試で、大幅に中3生徒数が減少することに対応して減らしていたクラス数を、例年通りに戻すための措置です。しかし、今年40クラス程度減少させたクラス数を完全にもとには戻さず、14クラスの増にとどめるため、今年生じたような大幅な高校の定員割れは、公立・私立を問わず減少する見通しです。
さらに令和3(2021)年度入試では、定員割れの心配のある高校を中心にクラス数減の措置が取られましたが、令和4(2022)年度のクラス数増に関しては、クラス数減とした高校のクラス数をもとに戻すのではなく、ある程度人気の高い高校のクラス数を増やすことになりました。これらの高校を目指す生徒にとっては、クラス数増の知らせは朗報となるはずです。

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