【愛知県】公立中高一貫校、2025年春開設!

教育

愛知県の「公立中高一貫校」開設が話題です。
1999年の宮崎県を皮切りに、全国に広がった公立中高一貫校。現在、公立中高一貫校を設置していない県は、愛知県を含むわずか6県という状況です。そんな中、いよいよ愛知県にも2025年から明和高・半田高・刈谷高・津島高の4校に併設型中高一貫校の開設が発表されました。

2025年春、公立中高一貫校開設!4高校の特徴は?

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他の県でも、今、中高一貫校って人気ですよね。愛知県の明和高校・半田高校・刈谷高校・津島高校はどんな学校になるのでしょうか。それぞれの特徴を教えてください。

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明和・半田・刈谷高校は、それぞれが各地域で盤石な大学合格実績を誇る難関高校です。SSH(後述)にも指定されていますので、中高の6年間を通して、じっくりと理系分野の探究的な学びを深めていきたいお子さんにおすすめの学校となりそうです。
津島高校は伝統的に国際理解教育に強く、現在のコースを発展させた「国際探究科」が設置されますので、「世界に出て活躍したい」と思われるお子さんにおすすめの学校となりそうです。

明和・半田・刈谷高校は、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校です。SSHには、高校などで「先進的な科学技術、理数系教育を通して、生徒の科学的能力、技能、科学的思考力、判断力および表現力を培い、将来国際的に活躍できる科学技術人材などの育成を図る」(※文部科学省WEBより抜粋)ことを目標に、それに向かってオリジナルのプログラムを用意している学校が指定されます。中学が設置された場合、例えば中学校段階からトップクラスの研究者や、全国の難関大や名古屋大学などの教授が講演に来てくれるなど、普通の中学生ではなかなか体験できないようなサポートが受けられる可能性が考えられます。

津島高校は、上記3校とは異なり、「グローバル人材の育成」を目標に掲げる学校です。文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)ネットワーク校にも指定されていて、継続的に国内外の学校・専門機関と連携し、講演会やオンラインでの国際交流など、積極的に学校外の様々な機関と協働学習できる機会が設けられています。中高一貫クラス設置後は、現在ある国際理解コースを「国際探究科」に再編すると発表がありました。将来的には国際バカロレア(※)の導入も目指すそうです。

※世界150 以上の国・地域の5,000 校以上で実施されている特色のあるカリキュラム。課題論文や批判的思考の探究など特徴的な課題が多く、双方向・協働型の授業を主としている。高校レベルまで習得すると、国際的に通用する大学入学資格が得られる。

入試はどうなる?入学後は?
入試傾向や教育内容について知りたい!

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それぞれ特徴があり、開校が楽しみですが、人気も高くなりそうですね。
どんな入試になるのでしょうか?入学後は?
一般的な私立中学校は、公立中学校より進度が早いイメージがあるのですが、公立中高一貫校はどんな感じになるのでしょうか?

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入試については、高倍率になることが予想されます。とはいえ、小学校の教育課程を逸脱した難問は出題できないので、どのような適性検査になるかは注目したいですね。
また、私立中学では大学受験を意識した先取り学習が一般的ですが、公立中高一貫校はそれができません。基本的には教育課程に則り、発展的な学習はあくまで「探究的な学びに必要な範囲」に留まると思います。

既に発表になっているクラス編成によれば、各学校とも中学は各学年2クラスの設置、となっています。少人数の募集のため、かなりの高倍率になることが予想されます。

入試の内容は、小学校の教育課程の範囲内での設定となりますが、他県の傾向を見る限り、かなり工夫された、考えさせられる問題が多数出題されることが確実です。

例えば、既に併設型の中高一貫コースを設置している静岡県の浜松西高中等部の入学試験では、「適性検査」と「作文」、そして「面接」が実施されています。

このうち、配点の多くを占める「適性検査」では、一つのテーマに対して多角的な視野に立ち、物事を「観察」「思考」し、文章でわかりやすく「表現」することが求められます。「なぜ、そうなるのか?」「どういうことなのか?」など、物事を科学的・分析的・論理的な視点で検証し、「~について説明しなさい」「~はなぜか、書きなさい」という出題形式に則って自分の言葉で表現する力が必要であり、解法の暗記に留まらない『総合的な学力』が求められます。

さらに、放送問題や作文(要約・論述)、ディスカッション形式の面接など、西中独自の対策が必要なため、佐鳴予備校では、授業毎の確認テストや専用模試、対策講座、個別カウンセリングなどを通じて手厚くペースメイクをしています。

愛知県の公立中高一貫校入試の内容は現段階では未定ですが、いずれにせよしっかりと対策を練って臨む必要がありそうです。

また、入学後の授業進度や生活についても気になるところですが、一般的に「公立中高一貫校」は、カリキュラムの面でも私立に比べて制約があります。私立は概ね高2で高3までの過程を終え、その後を大学受験勉強に費やしますが、公立中は教育課程の制約があります。そのため、「余裕を持って大学受験の勉強に臨ませたい」というお考えのご家庭には、必ずしもニーズに沿わない部分はあるかもしれません。

しかし、愛知県トップクラスの生徒たちが集い、高校・大学での活動・研究も意識した6年間の“連続した学び”が得られるというのは、大きな利点だと思います。

「第2次導入校」設置のニュースも!
今後の追加情報に期待!

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中高の6年間、探究活動に没頭できるのは羨ましいです。
高校受験がないので、内申点を気にしなくて良いのもいいですよね。今後、県内には増えていくのでしょうか?

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はい。既に愛知県は2026年度スタートを目指し、「第2次導入校」を複数検討していること、またそれは三河地方が中心になることを発表しています。
今まで、高校受験で内申を気にする生徒には、中学受験では私立中を選ぶご家庭がメインでしたが、選択肢が増えてチャンスが広がりますね!

愛知県の発表によれば、次の開校エリアは三河地方を中心とし、11月下旬には具体的な候補校も複数発表の予定だそうです。引き続き、科学技術や英語教育などの探究学習を重視すると共に、不登校経験や外国にルーツのある生徒の可能性を引き出す中高一貫校の設置も視野に入れる、とあります。

もともと、内申点の比重が(来年度から一部の学校で減るとはいえ)大きい愛知県公立高校入試を回避するため、中学受験に流れていた層が、私立中の併願校として選んでくるケースも十分に考えられます。ハイレベルな争いが予想されますね。

しかし、いずれにせよ憧れの高校にもし中学受験で届かなかったとしても、高校受験で再度受けられるという意味では、チャンスが広がりますし、保護者の金銭的負担も私立に比べて少なく、子ども自身が自分のやりたいことに没頭できる中高6年間を送れる公立中高一貫校は大きな魅力です。今後の追加情報も楽しみですね。

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