実践!「成績が伸びる」家庭環境づくり

「家族みんなで本を読もう」という家にする

わが家では子どもがまだ小さい頃、家族共有の「読書ノート」を作って、それぞれが読んだ本の感想を一冊のノートに記録していました。本を読んだら、自分の名前、タイトル、出版社名と、一行だけ好きなことを書きます。一行の部分は感想でも、どういう本だったかという説明でもいいんです。「身近な人が読んでいる」というのが良いんでしょうね。子どもも、親が読んだ本のタイトルやコメントを見て、「いつか読んでみようかな」「親はこんな風に思ったんだ」と関心を持つようになります。知り合いのご家庭でも、これをやってみたら、お子さんが積極的に本を読むようになった、というお声もいただきましたね。

英語教師として一応言っておきますと、英語で読む力を育てるならば、英語の絵本の一冊でも読んで、知らない単語が出てきたら全部拾ってもう一度読み直す、ということを繰り返すほうが、例えば「英検〇級」などのテキストを繰り返し解くより、ものすごく力がつくと思います。お子さんが小さい場合は、親御さんが読み聞かせるとかね。読む力がない人が自分で話せるわけがないですし、まして聞けるわけもないですから。日本語だって、結局は同じように、やれ漢字テストだ、ことわざだ、熟語だ、作文だ…って大量に書かされて、言わされて覚えたんですよ。英語もそうです。大前提として圧倒的な「量」の勝負だってことです。

「動く本棚」が子どもを刺激する

わが家には本棚が10本あります。逆に言うと、家族全員でそれしかないんですよ。ということは、必然的にキャパシティが決まってしまうんですね。今日買ってきた本や読みかけの本なんかはリビングに積みあがっていて、そこから「これは」という本だけが入れ替わり立ち替わり、本棚に収納されていく。代わりに、捨てられる本も当然あります。すると、子どもが通りすがりに、「あれ、この本、この前と違うな。お父さん、これ、面白かった?」と会話が生まれるんですね。「ああ、それ?もう読んだから持っていっていいよ」みたいな感じです。この「動く」本棚というのがとても重要です。

立派な全集なんかが入っている本棚って、昔のドラマの書斎のシーンとかでよく出てきましたけども、あれはもう子どもにとってはただの壁です。動くことで、子どもは「今、親が何に興味を持っているのかな?」ということにアンテナを立てます。この前なんか、実存主義がうんたらみたいな本を置いておいたんですけど、「実存主義って何だろう…」とか、日常会話では出ない言葉も本棚にあれば目に留まるんです。さあ、皆さんのご家庭の本棚はどうでしょうか?動いている、息をしている本棚になっていますか?

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