コロナ禍の部活動、「差し入れ」はどうしたら? クラブチームの台所から、食の差し入れのコツをご紹介

子育て

教えてくれたのは…
■名古屋グランパス 「フォルサ三好寮」厨房チーフ
管理栄養士(公認スポーツ栄養士)/福島薫さん

長引くコロナ禍で部活動やクラブチームの活動が思うようにできない!という状態が続いています。そんな状況下でも、必死に頑張る子どもたちを応援したい!というご家庭にとって、運動部などの「差し入れ」はいつ・どんなものが良いのかは悩ましい問題です。今回は、ユース世代の選手やチームと接する機会の多く、子どもたちの体づくりに詳しいプロフェッショナルにお話を伺いました。

Q:原則として保護者の見学は控えるように、という状態が続いていますが、試合の後に差し入れを持っていくことになりました。どんなものが良いのでしょうか。
A:基本的な考え方としては、市販のもので「①消化の良い炭水化物・②水分補給ができるもの・③食べやすいもの」がおススメです!

コロナで部活動や地域のクラブの練習、大会の縮小・中止が続いています。そんな中でもお子さんたちが頑張った後は、差し入れでねぎらってあげたいというお気持ち、大変よく分かります。受け入れる側も状況を見ながら…というケースが多いようですね。

この状況下ですから、衛生面や感染予防の観点から、市販のものの方がリスクも、心理的な負荷も減らせるかと思います。WEBで注文したものをチームに届けていただき、ご活用いただく…というケースもあるようですが、やはり直接手渡しの方が圧倒的多数かと思います。「食」の差し入れの基本的な考え方としては、上記の①~③を心掛けると良いと思います。

Q:具体的にはどんなものが良いでしょうか?できれば、避けた方が良いものも教えていただけるとありがたいです。
A:サンドイッチ、おにぎりなど主食系は具の選択にも意識を。カステラや果汁100%ジュース、バナナなど手を汚さずに食べられるものが良いですね。

試合が終わったとたんにお腹が空いた…というお子さんも多いので、消化の良い炭水化物は人気があります。具は、ハムやツナなどシンプルで消化の良いものを選んであげたいですね。あとは、カステラや油分の少ないシフォンケーキ。シフォンケーキは、程良い甘さやしっとり感が良いのか、グランパスでも試合後に好んで召し上がる選手も多いです。

野菜ジュースや果汁100%のジュースもおススメです。特にオレンジジュースやグレープフルーツジュースは、ビタミンやミネラルが豊富で、運動後の疲れを早めに回復させてくれます。個包装になっていて管理もしやすいですし、衛生面も◎です。

避けていただいた方が良いものとしては、実際にはよくある差し入れのシュークリームやケーキ、ドーナツなど油分・糖分の多いもの。体が疲れているときは内臓の消化機能が低下しますので、気分が悪くなることも。できれば避けていただければと思います。

Q:差し入れのタイミングは、いつが良いですか?
A:練習・試合が終わって、子どもたちのストレッチや着替えが終わってからが良いと思います。あらかじめ部の先生・責任者の方やコーチと打ち合わせをしておくと良いですね。

コロナ禍で様々な制限をせざるを得ず、心苦しく思っておられるチーム関係者も多いと思います。できるだけ感染を防ぎながら、皆様の応援の気持ちをお子さんたちに届ける工夫を一緒に考えてくださると思いますので、是非まずはチームの責任者やコーチの方にご相談をなさってください。ある程度こちらの判断にお任せいただけるようであれば、お子さんたちのストレッチ・着替えなどが終わるタイミングを待ちましょう。目の前に美味しいものがあると、身支度どころではなくなってしまうお子さんも多いです(笑)

運動・勉強に関わらず、頑張るお子さんたちをいつも細やかにサポートしてくださる保護者の皆様には本当に頭が下がります。子どもたちの健康で充実した毎日の基本は「食」。日々の食べ方の工夫で、子どもたちのよりよい未来を支えていきましょう!

PROFILE
福島薫さん
管理栄養士。Jリーグ名古屋グランパス「フォルサ三好寮」厨房チーフ。株式会社元気ごはんWORKS代表取締役。選手寮での献立作成や栄養管理、調理を担当。ユース世代の栄養講習会やお弁当の献立、おススメレシピなどもアドバイスする。

 

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