“子育てのイライラ”を上手にコントロールしたい!良好な親子関係を築くために。

子育て

教えてくれたのは…
■アンガーマネジメントコンサルタント/濱崎明子さん

子どもに対する親のイライラはどうするべき?大切なのは「怒りのコントロール」。アンガーマネジメントの専門家・濱崎さんに、怒りとの付き合い方について伺いました。

Q:「アンガーマネジメント」とは何でしょうか?
A:「怒りの感情に振り回されず、うまく付き合おう」という考え方・心のトレーニングのことです。

宿題をやらない、片づけないなど、子どもをきちんと育てたいという想いから、自らが“こうするべき”と考えることに従わない子どもに、つい言葉を荒げてしまった経験を持つ保護者の方も多いのではないでしょうか。「アンガーマネジメント」は、そうした怒りそのものを否定するのではなく、「怒りの感情に振り回されず、うまく付き合おう」という考え方・心のトレーニングです。子育て中に感じる「~べき」への怒りは、保護者の意識の高さの表れでもあります。だからこそ、怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことに振り回されなくなれば、もっと円滑な親子関係や人間関係を結ぶことができると思います。

Q:怒りに任せた行動を取らないためにはどうしたら良いでしょうか?
A:行動の基準は人それぞれ。誰がどう見てもわかる“明確なルール作り”をしましょう。

「~べき」という基準は、人によって違いますし、同一人物の中でも、状況によって変わる時すらあります。だからこそ、誰がどう見てもわかる“明確なルール作り”が親子間でも大切です。一番わかりやすいのは「何時から何時まで」「何時間(何分)」など時間で区切ること。例えば、テレビを観る時は60分と決め、それ以上ダラダラと観ていたら叱る、などです。これで、「いつまで観ているの!」という、基準のズレによるイライラを減らすことができます。

Q:どうしても怒りが湧いてしまう時の対処法はありますか?
A:下記に紹介しますので、ぜひ実践してみてください。

  1. 怒りの数値化
    降雨量に合わせて選ぶ雨具が変わるように、「今の怒りは10段階のうちいくつかな…」と考え、それに合わせた怒りの伝え方を考えましょう。
  2. アンガーログ
    イライラした時の状況を記録しておきましょう。どんなことに怒りを感じやすいか、自分の怒りの癖を知ることができ有効です。
  3. 6秒ルール
    まず6秒、間を置いて深呼吸をしましょう。心を落ち着け冷静になってから、どうしたら子どもが行動できるかを考えた上で、子どもに行動を促します。
  4. 心が落ち着くフレーズ
    「まあいいか」「大丈夫」など、怒りを感じた際にすぐに唱えられる・安心できる言葉をあらかじめ用意しましょう。
  5. 体調管理
    睡眠不足やストレスなどの生活リズムの乱れ、時には空腹などの生理現象が怒りの引き金になることも。怒りを感じた時に、一度自分の生活を振り返ることも大切です。

▼アンガーマネジメントは年齢問わず有効。小中学生用にゲームやワークブックもあります。

「怒る」ことは、相手に気持ちや自分のリクエストを伝える“伝達手段”。これを常に頭に置き、上手に子育て中の怒りと付き合っていきたいですね。

(この記事は2019年3月発行 Hello SANARU vol.13に掲載された内容をリライトしたものです。)

PROFILE
濱崎明子さん(アンガーマネジメントコンサルタント)
株式会社プラススマイル代表。一社)日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター。東海地区の第一人者として「人が人に当たらない世の中を構築する」というミッションのもと、教育現場から企業まで幅広く講演・研修等に登壇。小中学生向けの講座では、子どもたちに「怒り」の感情との向き合い方を通して、人間関係や親子関係の上手な結び方を伝え、好評を博している。愛知県出身。三重大学人文学部卒業。
(株式会社プラススマイル)公式HP:https://plus-smile.com/

 

 

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