求められるのは、考える力

学力アップ

学び方が大きく変化する中、子どもたちに求められる力も多様化しています。中でも重要なのが「考える力」。これからの時代で活躍するために、鋭く磨いて使いこなすことが求められています。

変化する入試

大学入試が大きく変わり、従来の知識偏重型の入試から、「思考力・判断力・表現力」を問う“思考力重視”の傾向が強まってきました。課題の背景や理由を考えさせたり、主体的な意見を求められたりなど、「状況を自分なりに分析して、自分の頭で考え解決策を導き出す力」が問われるような出題が、今後ますます増えていくと予想されます。

社会に出てから直面する問題も、実際はこのようなものばかりです。座学による知識の暗記や解法パターンの習得に頼り、いわゆる“テンプレート型”の問題にしか対応できない人間は、やがて世の中で通用しなくなるでしょう。そのことを、生徒自身はもちろん、身近にいる保護者の皆さんも私たち教師も強く認識する必要があります。

「学ぶ姿勢」を見直すこと

では、現在の小中学生は、今後どのような心構えで勉強に臨むべきなのでしょうか。

まず、子どもたち自身の「学ぶ姿勢」を見直すことが大切です。学校や塾の授業を受ける時、「ただ座っているだけ」「思考回路が止まった状態」になっていないでしょうか?授業中は、教師の説明を集中して聞くことはもちろん、頭をフル回転させて、「積極的に必要な知識を取りに行く」姿勢が求められます。

さらには、各教科の学習内容について「なぜそうなるのか?」「どういうことなのか?」と踏み込んで考え、「根本から理解しよう」と意識することが必要です。どの教科もそうですが、本質を理解してこそ、基礎から応用まで幅広いレベルの問題が解けるようになるのです。

また、日頃から意識してほしいのが、「考える習慣」を身につけること。例えば、新聞やニュースなどで、世界中で起きるさまざまな事件を見聞きしたとします。それだけで「知識を得た、学習した」と満足するのではなく、そこから発展的に考えてみてほしいと思います。「なぜ、その問題は起きたのだろう?」「背景には何があるんだろう?」…など、自分なりの疑問を持ち、さまざまな切り口から調べたり考えたりしてみる。さらには、「この問題は、どうすれば解決できるんだろう?」と自分なりの考えを持ち、それを家族や友人に話してみるのも効果的です。伝えたいことを論理的に整理し、正確にアウトプットする能力は、まさしく「求められる力」の一つです。

「考える」ことで成長する

そして何よりも、実生活の中で自分が経験するさまざまな問題に向き合うことが大切です。勉強や部活動、友人や家族との人間関係…。思うようにいかず、悩み苦しむ場面は誰にでも訪れることでしょう。そんな時こそ、自分自身の問題解決力を磨くチャンス。「面倒だな…」と思考を止めるのではなく、「なぜだめなんだろうか?」「どうしたら状況は良くなるのだろう?」と思考回路をはたらかせ、自分なりに解決策を考えて行動してほしいと思います。正しい答えが出るかどうかはわかりませんが、熟考する機会を増やすことで、「考える力」は確実に鍛えられることでしょう。

まとめ

子どもの勉強に対しては、つい結果ばかりに目が行きがちです。ただこれからは、彼らが「考えながら学んでいるか」という視点が重要になってきます。大切なのは、社会に出てから必要となる資質・能力を高めること。そのような目線で、お子さんの頑張りを応援してあげてください。

Adviser★岡村昌弘
岡村昌弘(佐鳴予備校教師)

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