数学の授業や問題作りでこだわっていることはありますか?

中3生を対象とした夏期合宿で先輩の授業を見たとき、衝撃を受けました。授業内容は数学の「証明」。何が衝撃だったかというと「この解き方をマスターさせたい」という軸が明確にあり、ひとつの問題だけでなく、いろいろなパターンにも対応できるよう、証明が「わかる」だけでなく「できる」ようになっていく、という授業でした。
その授業を見て以来、授業での最後の到達点(理解させたいこと)を常に意識し、ゴールから必要な問題を組み立てるようにしています。そのためにも、数学は「類題が命」。やり方を発見させて、その後しっかり出来るようにさせて、自信をつけさせています。

今までで一番心に残っている生徒とのエピソードを教えてください。

新卒時代に教えた生徒が今も忘れられません。地域トップ高校である浜松北高を志望していた中3女子生徒。成績からすると、合格するかどうかは五分五分。本人も最終的な受験校を、年末まで悩み続けました。最後には本人の意志をもって、浜松北高に挑戦することを決めました。入試を迎えるまでの数ヶ月、誰よりも授業は一生懸命受け、誰よりも授業後質問に残り、やれるだけのことは全てやり尽くして入試に臨みました。
迎えた合格発表。彼女の受験番号は、掲示板にはありませんでした。その晩、高校進学激励会の場に彼女の姿を見つけました。涙の跡がまだ残る顔で、明るく気丈に振舞っていました。その後生徒たちに、後輩たちへのメッセージを色紙に書かせました。すると彼女は、一番目立つ色紙の中央に力強く、「後悔しないことが一番!」。こう書いてくれました。合格を掴み取ることはできませんでしたが、この経験が必ず彼女の人生の糧になると信じています。

今の自分の担当している「仕事の魅力」を教えてください。

建前なしに、本音でぶつかっていけることが最大の魅力だと思います。目の前の生徒に対して、伝えねばならないと思ったことは、たとえ言いづらいことでも言います。なぜならその先に、生徒の心からの笑顔であったり、達成感に溢れた顔があるからです。
テストやプリントの作成など裏方で行う作業も、最後は「生徒の笑顔のため」というものがあるからこそ、力が入ります。

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